Internet Explorer 以外の Web ブラウザを使用して Web Console にアクセスして問題を解決するか、ネットワークの問題を解決するか、該当する SMTP サーバー構成を調べます
この資料は、以下の製品に該当します。
- Acronis vmProtect 6
- Acronis vmProtect 7
- Acronis vmProtect 8
- Acronis Backup for VMware (Acronis vmProtect) 9
事例
任意のインターネット ブラウザを使用して Acronis vmProtect Web Console に接続します。
任意の SMTP サーバー経由で送信する電子メール通知を設定します(たとえば、[構成]->[バックアップ設定]->[通知]->[電子メール] など)。
その結果、テスト中や計画していたタスクの実行時に電子メール通知が失敗します。
コマンド 'send_test_email_message' 実行中にエラーが発生しました
テスト メッセージの送信中にエラーが発生しました。
'example@email.com' から 'example2@email.com'にメッセージを送信できませんでした(SMTP '192.168.1.1:25')。
(!)上記のエラーは汎用的なものです(どのような通知の失敗時にも表示されます)。エラーが発生している原因を確認するには、エラースタックの最後に出力されるエラーを参照します。
1)認証が失敗しました。
または
2) サーバーは DATA コマンドを受け付けることができません。
または
3) 不明なメール サーバーです。
または
4) ソケットからの読み込み中に致命的なエラーが発生しました。
または
5) メール サーバーが RFC への準拠を拒否しました。
または
6) サーバーは送信者を受け入れることができません。
または
7) サーバーがメールを拒否しました。
または
8) メール サーバーに接続できませんでした。
非常に稀なケースですが、テスト通知は動作するが、計画通知は送信されません。ソリューションセクションをご参照下さい。
原因
Acronis vmProtect 7では、 電子メール通知に関連する既知の問題が 1つ報告されています(vmProtect 8 では修正されています)。Internet Explorer がユーザー名フィールドにスペース記号を自動的に追加するという問題です。この問題によって、認証が失敗しました。というエラーで電子メール通知が失敗します。
その他すべてのエラーは、指定した SMTP サーバーのセットアップ内容、またはそのネットワークの名前解決エラーに関連しています。各エラーの推奨事項については「解決法」セクション、電子メール通知形式の詳細な説明については「追加情報」セクションをご参照ください。
解決法
1) 認証が失敗しました。
- Acronis vmProtect 7 を使用している場合、解決法として、Internet Explorer ではなく他の Web ブラウザ(Firefox、Chrome、Opera など)を使用してください。最終的な解決策としては、Acronis vmProtect 8 にアップグレードしてください。
- 上記の方法で問題が解決しない場合は、SMTP サーバーに接続するユーザー名またはパスワードが間違って指定されていることが考えられます。SMTP サーバーに空のパスワードを使用できる場合は、「Acronis vmProtect 7:Setting up E-Mail Notifications Through Microsoft Exchange Server 2007」をご参照ください。
2)サーバーは DATA コマンドを受け付けることができません。
- 一般的にこのエラーは、SMTP サーバーが Acronis vmProtect エージェント(Windows エージェントまたは仮想アプライアンス)の IP をホスト名に解決できない場合に、SMTP サーバーから返されます。この要件は、「sendmail」SMTP サーバーなどに該当します。Acronis vmProtect エージェントの偽のホスト名を SMTP サーバー側の /etc/hosts ファイルに追加すると、この問題は解決します。
3) 不明なメール サーバーです。
- メール サーバーのアドレスを IP アドレスに解決できません。SMTP サーバー のホスト名ではなく、IP アドレスを指定してみてください。
4) ソケットからの読み込み中に致命的なエラーが発生しました。
- このエラーは、SMTP サーバーが Acronis vmProtect エージェントから送信された最初のパケットを拒否し、エージェントが空の返信を受け取ったときに返されます。つまり、この段階では、ユーザー名/パスワードの検証すら始まっていません。最も一般的な理由は、Acronis vmProtect エージェントの IP が SMTP サーバーのファイアウォールから拒否されている場合です。SMTP サーバー管理者に相談して、Acronis vmProtect エージェントの IP アドレスから送信されるリクエストをブロックしないように依頼してください。
- もう 1 つ考えられる理由は、SMTP サーバーの指定した IP アドレスが、実際は SMTP サーバーがインストールされていないマシンを参照している場合です。
5) メール サーバーが RFC への準拠を拒否しました。このエラーが出力される場合、以下のように複数の理由が考えられます。
- このエラーは、SMTP サーバーへの接続後に、以降のアクションを拒否するエラーが発生した場合に返されます。SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがないかどうかを確認する必要があります。
- HELO リクエストに対して SMTP サーバーから返された応答がエラーです。SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがないかどうかを確認する必要があります。
- TLS 暗号化に切り替えた後に、HELO リクエストに対して返された応答がエラーです。暗号化を無効にします(TLS から SSL に変更するか、無効にします)。それでも解決しない場合は、SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがあるかどうかを探します。
6) サーバーは送信者を受け入れることができません。
- SMTP サーバーは、MAIL FROM リクエストに対する応答でエラーを返しました。SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがないかどうかを確認する必要があります。
7) サーバーがメールを拒否しました。
- SMTP サーバーは、実際の電子メール本文を送信する DATA リクエストに対する応答でエラーを返しました。SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがないかどうかを確認する必要があります。
8) メール サーバーに接続できませんでした。
- このエラーは、接続は確立しましたが、SMTP サーバーが拒否していることを示します。まずすべてのファイアウォール設定を確認します。つまり、指定したポート(デフォルトでは 25)で、vmProtect エージェントが SMTP サーバーに接続できることを確認します。
- TLS 暗号化(サーバーがサポートしている場合)に切り替えるときにエラーが発生しました。SMTP サーバーのログを確認し、電子メール通知の送信試行に関連するエラーがないかどうかを確認する必要があります。
9) テスト通知は稼働するが、計画通知は送信されない。
テストと計画された通知の違いはアタッチメントのみです。つまりテスト通知にはアタッチメントが存在しません。従って、ご使用のSMTPサーバーにアタッチメントを許可するようにセットアップする必要があります。
上記の解決策でも問題が解決しない場合、Windows システム情報ファイル、すべての電子メール設定のスクリーンショット、および PCAP ログ(「PCAP ログの収集」を参照)を収集してください。
追加情報
上記の解決法で、多くの問題を解決できますが、すべての事例に対処できる訳ではありません(独自の仕様を持つ SMTP サーバー構成が多数存在するため)。特定の SMTP サーバー構成に関する追加のヒントを見つけたら、この記事の下のフィードバック欄に解決法を入力して送信してください。フィードバックを元に記事をアップデートします。
電子メール通知について、Acronis 製品(Acronis vmProtect、Acronis Backup and Recovery、Acronis True Image Home など)は、「libsmtp 0.8.5」ライブラリ(http://libsmtp.berlios.de)の一部を使用しています。サードパーティ製 SMTP エージェント(postfix、sendmail など)は使用していません。このライブラリは、RFC 822 に準拠して直接 SMTP 接続をサポートしています。
一般的なリクエスト スキーム:
1. EHLO リクエストが SMTP サーバーに送信され、サーバーが EHLO をサポートしていない場合は(300 以上のコードで応答する)、HELO リクエストが送信されます。
2. 認証(AUTH LOGIN コマンド)。
3. 送信元のアドレス(MAIL FROM)。
4. 受信者のアドレス(RCPT TO)。
5. テキストの本文(DATA)。
6. メッセージの終了(QUIT)。