42874: Acronis Backup Advanced 11.5: 重複除外のベストプラクティス

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Last update: 13-07-2017

重複除外を最も効率的にセットアップする方法について紹介します。

この文書は次の製品に該当します:

  • Acronis Backup & Recovery 11.5 Advanced Platform

概要

 

重複除外(重複除外, Dedupe, デデュプリケーション、デデュープとも)は、データの重複を検知して、同一内容のデータを1回のみ保存することで、ストレージの使用領域を最小にするプロセスです。重複除外を利用すると、ネットワーク帯域も節約できる場合があります。バックアップ中に、データが既に保存されているものと同一であることが検知された場合は、当該データはネットワークに送信されないからです。Acronis Backup & Recovery 11.5では、格納域を新規作成する場合で重複除外を有効にしたときは、管理対象の格納域にバックアップデータが保存される時点で重複除外が行われます。重複除外が有効な格納域を重複除外格納域と称します。バックアップを重複除外格納域に保存するすべてのエージェントにおいて、重複除外アドオンをインストールする必要があります。アドオンがインストールされていない場合は、重複除外格納域へのバックアップはできません。
 

 

よくある質問 (FAQ)

 

 
重複除外について
 

 

重複除外とは何ですか?
 
 

 

重複除外(重複除外, Dedupeとも)は、データの重複を検知して、同一内容のデータを1回のみ保存することで、ストレージの使用領域を最小にするプロセスです。重複除外を利用すると、ネットワーク帯域も節約できる場合があります。バックアップ中に、ファイルやブロックが、バックアップロケーションに存在するファイルやブロックの内容と重複する場合、それらのファイルやブロックは転送されません。
 
 
 

 

重複除外を有効にすると、どの程度のストレージ領域を節約できますか?
 
 

 

重複除外格納域に保存されるアーカイブのサイズ、また、重複除外された状態でどの程度データを小さくできるかに依存します。これは以下のように、さまざまな条件に左右されます。
  • バックアップ対象マシンの台数
  • 重複のない単一データがどの程度あるか

20~30台のマシンのある典型的な環境では、3~10パーセント程度のサイズ削減について合理的な期待を持つことができます(増分、差分バックアップではなく完全バックアップを利用し、重複のないデータがデータ総量の約10パーセントと仮定した場合)。

 

重複除外率※はどのように算定されますか。
 
 

 

重複除外率は、単一データのサイズをバックアップデータのサイズで除して100%を乗じることで得られます。ここで単一データのサイズとは管理対象格納域に保存されている単一データの量を示します。バックアップデータのサイズとは、バックアップされた全てのデータのサイズの総計をいいます。あるデータが複数回(例えば完全バックアップで)バックアップされた場合、それらのサイズは全て複数回分カウントします。本パラメータにおいては、格納域の圧縮は考慮されません。重複除外率は格納域のビューとレポートで提供されます。
 
 
 

 

重複除外が最も効果的なのはどのような場合ですか。
 
 

 

重複除外は、システムにまたがって冗長なデータが存在する場合に最も効果的です。例として、典型的なオフィス環境では、PCに Window 7 や Windows XP のように似たようなOSを使用しています。データセンターではWindows 2003 や Windows 2008 でしょう。
同様に、多くのマシンが同一のアプリケーションを稼動させていることもあります(Microsoft Office や Adobe Acrobat など)。このようなケースでは、重複除外率が高くなることが多いです。増分バックアップでも、異なるマシン間での変更内容が似ている場合、あるマシンから別のマシンへ乗り換えた場合などには重複除外が効果的です。
 
 
 

 

重複除外の速度を向上する方法を教えてください。
 
 

 

ストレージノードに利用するハードウェアが、本文書の推奨内容に対応していることをご確認ください。
 
 
 

 

重複除外を利用するために必要なものは何ですか。
 
 

 

以下の3点が必要です。
  1. 以下に示すハードウェア推奨事項を満たすサーバを、ストレージノードとして利用する。
  2. 当該ストレージノード上の管理対象格納域で、重複除外を有効にする。
  3. 重複除外を有効にしてバックアップする対象マシン1台毎に、重複除外アドオンライセンスを付与する。

 

重複除外のライセンスについて教えてください。
 
 

 

重複除外は、バックアップ対象のマシン1台毎にライセンスが必要です。ご利用になるには、Acronis Backup & Recovery Advanced Edition が必要です。一方、ストレージノードにはライセンスの必要がありませんので、必要な台数のストレージノードを立てることができます。
 
 
 

 

1つの重複除外格納域は、どの程度のデータを処理できますか。
 
 

 

重複除外格納域は、1つあたり、1日で約500GBのデータを処理可能です。例えばご利用の環境で単一データの平均が全データ量の15パーセントとすると、ストレージノードでは1日当たり4TBのデータを処理できることになります。単一データの量がこれより多い場合は、ストレージサーバ、ストレージノードを追加して対処します。
 
 
 

 

ストレージノード1台で処理できるバックアップ対象マシンの数を教えてください。
 
 

 

推奨事項を満たすストレージノード(以下をご覧ください)は、日次で300~500GBのバックアップデータを処理することができます。例えば単一データの総量が300GBの場合は、ストレージノードの処理能力の上限に達すると見られます。また、通常ストレージノード1台では、50台ほどのバックアップ対象マシンしか処理できません。
 
 
 

 

重複除外の制限事項について教えてください。
 
 

 

アロケーションユニットサイズが4KBで割り切れないサイズのボリュームに対しては、イメージ単位のバックアップを使用する場合の重複除外は行われません。イメージ単位、ファイル単位ともに、暗号化されたアーカイブに対して重複除外は行われません。ただし、格納域単位での暗号化を指定することは可能です。
 
 
 

 

重複除外がサポートしている暗号化機能について教えてください。
 
 

 

格納域を暗号化して保護する場合、格納域に書き込まれるものは全て暗号化され、格納域から読み出されるものは復号処理されます。これらの暗号化・復号処理は、ストレージノードに保存された、格納域ごとに固有の暗号化鍵によって透過的に行われます。

 

暗号化アルゴリズムとしては、以下のものがサポートされています:
 
  • AES 128 – 格納域のコンテンツはAdvanced Encryption Standard (AES)アルゴリズムと128ビット鍵を利用して暗号化されます。
  • AES 192 – 格納域のコンテンツはAdvanced Encryption Standard (AES)アルゴリズムと192ビット鍵を利用して暗号化されます。
  • AES 256 – 格納域のコンテンツはAdvanced Encryption Standard (AES)アルゴリズムと256ビット鍵を利用して暗号化されます。

 

重複除外格納域にバックアップする際の留意点を教えてください。
 
 

 

第一に、マシン1台のフルバックアップを作成し、再インデックス処理が完了するまでお待ちください。その後、そのほかのマシンについてのフルバックアップを行い、インデックス処理が終了するまでお待ちください。この時点で、その後のバックアップをスケジュールすることができます。また、複数のバックアップタスクを実行する場合は、適宜インデックス処理のための間隔を空けるほうがよいでしょう。例として、バックアップを夕方に実行すると、インデックス処理はバックアップ終了後の夜間に行われるので、十分な時間を与えることができます。コンパクティングは週末にスケジュールできます。
 
 
 

 

ストレージノードで複数の重複除外格納域を持つことはできますか。
 
 

 

ストレージノード1つに対して、重複除外格納域を1つだけにすることを強く推奨します。これは、ストレージノードが搭載するメモリはストレージノード上の全ての格納域に配分されるためです。重複除外データベースが大きい場合、メモリを増強すればするほど重複除外プロセスの速度を上げることができます。
 
 
 

 

格納域の空き容量が不足したことを知る方法はありますか。
 
 

 

管理サーバをご利用の場合、格納域の状態をメールでアラートするよう構成することができます。次の文書を参照してください: Alert notifications.
 

 

ハードウェア・ソフトウェア
 
 

 

クライアントに関する推奨事項を教えてください。
 
 

 

既にAcronis Backup & Recovery エージェントがインストールされている場合、重複除外によって新たに追加される要件はありません。800MHzのプロセッサ、512MBのメモリがあれば、Acronis Backup & Recoveryエージェントで重複除外を実行するには十分です。

 

 

 

ネットワーク帯域幅はどの程度確保すべきですか。
 
 

 

1Gbitネットワークを推奨します。しかしながら、並行してバックアップするマシンがごく少数である小規模環境の場合は、100Mbitネットワークでも足ります。
 
 
 

 

ストレージノードで重複除外を有効にする場合のCPUに関する推奨事項を教えてください。
 
 

 

ストレージノードでは、3GHz、2コア以上か2.5GHz、4コア以上のCPUを推奨します。当該ストレージノードを使用するクライアントマシンの台数に関わらず、本項目は適用されます。
 
 
 

 

ストレージノードで重複除外を有効にする場合の最低利用可能メモリの容量を教えてください。
 
 

 

ストレージノード専用にサーバとOSを用意する場合、メモリは 8GB で足ります。重複除外の速度が同一であると仮定すると、一般的に、メモリ容量が大きくなるほど、重複除外データベースも大きくなります。ストレージノード上にそのほかのソフトウェアもインストールする場合は、必要メモリの容量もそれらに従って大きくなります。
 
 
 

 

OSの要件を教えてください。
 
 

 

64bit OSを推奨します。64bitバージョンのストレージノードはメモリを効率よく利用してバックアップ処理の速度を向上できます。
 
 
 

 

重複除外データはどのように保存されるのですか?

 

ストレージノードは、格納域データと重複除外データベースのそれぞれを、2つのフォルダに保存します。重複除外が行われたデータを「組み立てる」ために必要なリンクを重複除外データベースが保存します。格納域データフォルダではバックアップファイルを保存しますが、このサイズは重複除外の結果として縮減されています。格納域ごとに固有のデータアイテムを含む3つの大きなファイルが作成されます。格納域のデータと、重複除外データベースは、それぞれ別のディスク、更には別のディスクコントローラ配下にある別のディスクに保存することを強く推奨します。

 

 
重複除外データベースストレージの要件を教えてください。

 

格納域のデータベースを保存する場所を選択する場合には、以下の考慮点を検討することを推奨します:
 
  • データベースを保存するフォルダは固定ドライブに置かなければなりません(リムーバブルドライブ上は不可)。
  • フォルダのサイズが増大する場合があります。使用容量2.5TBに対して40GB程度または2.4パーセントです。
  • フォルダはOSと同一のドライブに保存すべきではありません。
  • ディスクアクセス時間を最小にすることが重要です。フォルダを保存するドライブには高速な IDE ドライブ(7,200rpm以上のもの)、SCSIドライブ、エンタープライズ向けソリッドステートドライブ(SSD)を利用することを推奨します。
  • ディスク上に、格納域データベースとして 60GB を超える領域を割り当てる必要はありません。

 

格納域のデータ保存用ストレージについて、推奨事項はありますか。
 

 

格納域データを保存する場所を選択するに当たって、弊社は以下を推奨します:
重複除外格納域は、以下の場所に置くことができます:
  • ストレージノード上のローカルハードディスクドライブ
  • ネットワーク共有
  • ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)
  • ネットワーク・アタッチト・ストレージ(NAS)
格納域データベースディスクと比較すると、ストレージデバイスは低速です。
  • 冗長性を確保するため、RAIDをご利用ください。
  • 格納域データと格納域データベースは、それぞれ別のディスクコントローラ配下に配置してください。
  • 格納域データは、OSと同一のドライブに保存すべきではありません。
  • サービス稼動とバックアップ保存のため、十分な空き容量を確保すべきです。ストレージのサイズはバックアップを取得されたいデータの種別と量、適切な保持ルールを設定するかどうかに依存します。ストレージサイズを見積もるには、まず「バックアップ対象マシンすべてに対して、完全バックアップを取得する」と仮定します。次いで「重複除外係数」でこれを除し、「各のバックアップ対象マシンの完全バックアップで、保持したいものの数」で乗じます。これに「日次の増分バックアップで増加するデータサイズにデータを保持すべき営業日の数を乗じたもの」を加えます。

 

格納域をバックアップする

 

格納域をバックアップする必要があるのはなぜですか?

 

ストレージノードとなっているサーバが故障した場合に、格納域自体のバックアップが必要となります。ストレージノードが故障した場合は、新しいハードウェア上でストレージノードをインストールし、次いで格納域のデータを復元すると、格納域を元通りに利用できます。

 

格納域をバックアップする方法を教えてください。
 

 

格納域をバックアップする前に、対象ストレージノードのサービスを停止すべきです。格納域にアクセスするバックアップタスクが実行されていない時間帯を選んで行うのがよいでしょう(ストレージノードのサービスを停止した時点でバックアップが失敗するため)。 格納域データは2つのフォルダ(格納域データパスと格納域データベースパス)に保存されていますが、これらのフォルダは別のボリュームを指定して保存することもできますが、この場合は2つのボリュームともイメージ単位でバックアップすべきです。バックアップからTIBファイルが除外対象とならないよう留意してください。格納域をバックアップした後にストレージノードサービスを開始しなければなりません。サービスの開始と停止コマンドは、適切なバックアップ計画の前後のコマンドで実行することもできます。

 

格納域を復元する具体的な方法を教えてください。

 

ストレージノードが故障した場合など、格納域のデータを喪失したときは、取得したバックアップからイメージ単位の復元を行い、格納域をストレージノードにアタッチしてください。バックアップ時と異なり、復元時にサービスの再起動は必要ありません。

 

復元した格納域をストレージノードにアタッチする方法を教えてください。

 

ストレージノードに対して、格納域データフォルダと適切な格納域データベースフォルダをアタッチすることができます。格納域データフォルダだけをアタッチすることもできますが、この場合は格納域データベースが再作成されます(再作成には時間がかかります)。詳細は、Webヘルプの「管理対象の格納域の接続」をご覧ください。

 

ストレージノードサービスを停止しないで、格納域のデータをコピーする方法を教えてください。
 

 

レプリケーションメカニズムを使用すれば可能です。バックアップ計画で第2ロケーションにストレージノードを指定します。例として、バックアップ計画で“ストレージノード 1”にバックアップするものがあるとします。このとき、第2ロケーションとして“ストレージノード 2”を指定するようバックアップ計画を編集します。結果として、新しく作成されるバックアップは“ストレージノード 2”にレプリケーションされます。レプリケーションについての詳細は、「バックアップのレプリケーションと保持」をご覧ください。
この他に、格納域アーカイブを、指定したフォルダにエクスポートして、必要なら再度インポートするという方法もあります。格納域全体のエクスポートやインポートは、Acronis Backup & Recovery コマンドラインコンポーネントを利用することで可能です。格納域のエクスポートは、格納域のバックアップに比べて低速ですが、ストレージノードサービスを停止する必要はないため、いつでも実施することができます。以下にコマンドラインの例をご紹介します。

 

すべてのアーカイブを格納域からローカルフォルダにエクスポートする:
 
アーカイブをエクスポートする。export archive --loc=bsp://asn1/vault1 --credentials=user1,password1 --target=c:\Archives
 
すべてのアーカイブをローカルフォルダから格納域にエクスポートする:
 
export archive --loc=c:\Archives --target=bsp://asn1/vault1 --credentials=user1,password1

 

export archive コマンドについては、「アーカイブとバックアップのエクスポート」をご覧ください。

 

解決策

 

Acronisストレージノードとしてマシンをセットアップする

 

  • 重複除外格納域を保存するAcronisストレージノードのために、専用のマシンを割り当ててください。
  • サーバ向けOSを推奨します(Windows 2008 R2、RedHat Enterprise Linuxなど)。
  • 64bitシステムで最低でも 8GB のメモリを搭載することを推奨します。
  • 集中管理格納域を重複除外を有効にしてセットアップします。
  • パフォーマンス低下を防止するため、格納域データと格納域データベースフォルダの保存場所には、別の物理デバイスを指定してください。
  • Acronisストレージノード1つに対して重複除外格納域は1つのみとするのがベストプラクティスです。
  • 高速なLAN(1Gbit LANを推奨します)
  • 重複除外データベースはC:ドライブのルート(C:\)やOSのインストールされているディスクと同一のディスク上に配置しないでください。OSはハードディスクに多数回のread/writeを繰り返すため、重複除外速度を相当低下させてしまいます。
  • 格納域データをNAS上に保存する場合は、ネットワーク接続ができる限り高速になるよう留意してください。Gigabit Ethernetを推奨します。
  • 格納域データをローカルのハードディスクに保存する場合は、最高速度のハードディスクコントローラと、高回転のハードディスクドライブを利用してください。重複除外速度の主なボトルネックはI/Oの速度です。
  • 重複除外格納域として指定するストレージには十分な空き容量を確保してください。推奨する空き容量は、現在使用中の領域に110%を乗じたサイズです。格納域データが 10 GB である場合は、11 GB の空き領域を確保しなければなりません。

 

重複除外格納域として使用するディスクを選択する

 

データ喪失を防止するため、重複除外格納域には RAID 10, RAID 5 または RAID 6 を使用することを推奨します。RAID 0 には耐障害性がないため推奨されません。また RAID 1 は他の RAID レベルに比べて低速であるため、推奨されません。格納域はローカルディスクに置いても、SANに置いてもかまいません。

 

詳細情報

 

次もご覧ください。

 

 

本文書では、バックアップと重複除外の速度に影響を与える中心的要素について述べています。一定期間経過後のバックアップデータの量を見積もる場合や、これらデータを管理するためのハードウェア構成(ストレージノードを中心に)を知りたい場合にご利用になれます。

 

 

本文書では、Acronis ストレージノードのセットアップ方法と、パフォーマンスに影響する要素を概括的に述べています。