ストレージのサイズを増やすか、ボリュームスナップショットのストレージの場所を変更します。
事象
以下のエラーが表示され、ディスク・パーティション レベルまたはファイルレベルのバックアップに失敗します:
「スナップショット ストレージが存在するボリューム上に十分な空き領域がありません。」
もしくは
「スナップショット ストレージが設定されたボリュームでボリューム スナップショットを作成するための十分な領域がありません。」
もしくは
「シャドウコピーストレージファイルなどのシャドウコピーデータを作成するためのストレージが不足しています。」
もしくは(Windows イベントログにて)
「イベント ID: 25
シャドウ コピーの記憶域を時間内に拡張できなかったためにボリューム G: のシャドウ コピーは削除されました。システムの IO 負荷を減らすか、またはシャドウ コピーされていないシャドウ コピーの記憶域ボリュームを選んでください。」
原因
ソースのディスクに、スナップショットストレージに十分な空き領域がありません。
バックアップ中にスナップショットが作成されると、すべての後続の I/O 操作はスナップショットストレージと呼ばれる一時ストレージにキャッシュされます。I/O 操作の量が多すぎる場合は、キャッシュ用の領域がなくなる可能性があります。
スナップショットの働きに関する詳細は、Acronis Cyber Backup がスナップショット中に一時ファイルを作成 をご参照ください。
ソリューション
この問題の回避策の1つとして、I/O の負荷が小さいときにバックアップを実行してください。
あるいは、ソースのディスクの空き領域を増やすか、(サーバー オペレーティングシステムの場合のみ)空き領域が多いボリュームにストレージを移動することもできます。
Acronis では、VSS が有効になっている場合、デフォルトではシャドウコピーを作成するために同じドライブが使用されます。以下の場合は、VSS シャドウストレージの移動をお勧めします:
- スナップショットを作成するために、より空き領域の多い別のドライブを使いたい場合
- スナップショットの I/O の負荷を本番デバイス上にある別のドライブに割り振りたい場合
- 破損している可能性のあるディスクのスナップショットを作成したい場合
Acronis Cyber Backup Cloud および Acronis Cyber Backup 12.5
デフォルトでは、Microsoft VSS プロバイダは Maximum Shadow Copy Storage space(シャドウコピーの記憶域の最大領域)というパラメータの値が小さいスナップショットを同じボリュームに保存します。
VSS ストレージのパラメータをチェックし、調整するためには、vssadmin コマンドラインツールを使用してください。
まず、vssadmin list shadowstorage というコマンドを使用して、シャドウストレージの一覧を表示させる必要があります。Microsoft TechNet のこの記事もご参照ください: Vssadmin list shadowstorage.
コマンドライン([スタート] -> [ファイル名を指定して実行] -> cmd と入力)で、以下のコマンドを実行してください:
vssadmin list shadowstorage
ボリュームとそのシャドウストレージの情報が表示されます:
For volume: (C:)\\?\Volume{34e2a3b2-3136-11df-81bf-806e6f6e6963}\
Shadow Copy Storage volume: (C:)\\?\Volume{34e2a3b2-3136-11df-81bf-806e6f6e6963}\
Used Shadow Copy Storage space: 1.815 GB (1%)
Allocated Shadow Copy Storage space: 2.315 GB (1%)
Maximum Shadow Copy Storage space: 2.419 GB (1%)
(!) シャドウストレージが指定されていない場合は、オペレーティングシステムは自動的にスナップショットを保存するボリュームを選びます。
サーバーオペレーティングシステムの場合、次の2つのコマンドを使って、現在ストレージになっているボリュームを別のボリュームに変更できます: vssadmin delete shadowstorage および vssadmin add shadowstorage 。前者のコマンドは現在のシャドウストレージを削除し、後者のコマンドは指定したボリュームで新しいシャドウストレージを作成します。Microsoft TechNet のこの記事もご参照ください: Vssadmin delete shadowstorage および Vssadmin add shadowstorage。
シャドウコピーの移動機能は、サーバーオペレーティングシステムの場合のみサポートされます。
コマンドの例:
vssadmin delete shadowstorage /for=c: /on=c:
vssadmin add shadowstorage /for=c: /on=d: /maxsize=20GB
結果として、ボリューム C: のすべてのスナップショットデータはボリューム D: にキャッシュされます。.
追加情報
VSS 関連の問題のトラブルシューティングを行うためには、Acronis VSS Doctor ツール(無料)を使用してください。上記のツールを使っても問題が解決しなかった場合は、Acronis カスタマーセンター にお問い合わせください。