Acronis Universal Restore for Linux アドオンについて説明します。
この資料は、以下の製品に該当します。
- Acronis Backup & Recovery 11 Server for Linux
- Acronis Backup & Recovery 11 Advanced Server
- Acronis Backup & Recovery 11 Virtual Edition
説明
Acronis Universal Restore for Linux の目的
- 異なるハードウェアにおけるシステム起動の復元
- オペレーティングシステムのハードウェアに依存しないクローン作成および配置
- 物理コンピュータから物理コンピュータ、物理コンピュータから仮想コンピュータ、および仮想コンピュータから物理コンピュータへの移行
基本的な使用状況
- Acronis Universal Restore がインストールされている場合に、Acronis ブータブル メディアを使用して、復元されたオペレーティングシステムを起動可能状態にします。
- イメージの復元をすることなくハードウェアを変更した後に、オペレーティングシステムを起動可能状態にします。
仕組み
- ブートローダ設定の変更: Acronis Universal Restore は、GRUB ブートローダの設定を自動的に変更することができます。たとえば、新しいコンピュータのボリュームレイアウトが元のコンピュータとは異なる場合、システム起動を確保するために、この変更が必要となる可能性があります。
- ドライバに対するパッチの適用: Universal Restore を Linux オペレーティングシステムに対して使用すると、初期 RAM ディスクという一時ファイルシステムが更新されます(initrd)。これにより、オペレーティングシステムを新しいハードウェアで起動できるようになります。Acronis Universal Restore によって、新しいハードウェアのモジュール(デバイスドライバを含む)が、初期 RAM ディスクに追加されます。通常、回復するオペレーティングシステムの /lib/modules ディレクトリで必要なモジュールが検索されます。Universal Restore によって必要なモジュールが検索できない場合、そのモジュールのファイル名がログに記録されます。
(!)Universal Restore によって Linux カーネルが変更されることはありません。
(!)Acronis Backup & Recovery 11 for Linuxはカーネル2.4.20あるいはそれ以降をサポートしていますが、Acronis Universal Restoreはカーネルの要件が2.6.8またはそれ以上になりますことをご注意願います。
詳細情報
必要に応じて、元の初期 RAM ディスクに復元できます。
初期 RAM ディスクは、コンピュータ上のファイル内に保存されています。初めて初期 RAM ディスクを更新する前に、Acronis Universal Restore によって、ディスクのコピーが同じディレクトリに保存されます。コピーの名前は、ファイルの名前の後に _acronis_backup.img という接尾辞が付いたものです。複数回 Acronis Universal Restore を実行(たとえば、不足していたドライバを追加した後など)しても、このコピーは上書きされません。
元の初期 RAM ディスクに復元するには、次の手順のいずれかを実行します。
- 適宜、コピーの名前を変更します。たとえば、次のようなコマンドを実行します。
mv initrd-2.6.16.60-0.21-default_acronis_backup.img initrd-2.6.16.60-0.21-default
- GRUB ブートローダ設定の initrd 行で、コピーを指定します。